Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme
慣れた手附で、火鉢の縁へ縦にタタキ付けて、巻(まき)を柔らかくしながら吸い付けた。
「吸口はまだ這入っているぜ……君……」
「ヘエ。どうも済みません。……わっしゃドウモこの吸口の蝋(ろう)の臭いが嫌いなんで……ヘヘ……有難う存じます。只今お釣銭(つり)を……あ……どうも相済みません。お粗末様で……」
吾輩は、五十銭玉を一個、若い親方の手に握らせて表へ出た。ブラリブラリと歩き出しながら町角を右へ曲ると、急に悪夢から醒めたように火見櫓(ひのみやぐら)の方向へ急いだ。
翌る朝、玄洋日報の第三面に特号四段抜の大記事が出た。
「筥崎の迷宮事件……下駄屋殺(ごろし)犯人捕わる……隣家(となり)の理髪店主……端緒は現場の吸殻から……」云々と……。
記事は面倒臭いから略するが、犯人の理髪屋の若親方甘川吉之介(三十)と、昨日(きのう)の正午(ひる)過ぎに、偶然に訪ねて来た被害者、仏惣兵衛の後家さんチカ(五二)が、筥崎署へ引っぱられると同時にスッカリ泥を吐いてしまった。
後家のお近婆さんは共犯ではなかったが、しかし犯行の動機は婆さんの不謹慎から生み出されたものに相違なかった。