Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme
これあ……」
大正の三四年頃だったか東京の某新聞社に居た時分に、桜島の大噴火、鹿児島市の大混乱と題して吉原の火事の写真を使ったことがある。その逃げ迷っている群集の足下に「吉原町」と一パイに書いた手提灯(ぢょうちん)が転っているのを、後から気が付いて冷汗を流した事があるがソレ以来の……イヤ、それ以上の大失敗だ。あんまりハッキリし過ぎているので頬返(ほおがえ)しが付かない。
間違いのソモソモは昨夜の午後四時頃の事だ。警察種(だね)の記事を仕舞(しま)って帰りかけようとしている吾輩の処へ、眼をショボショボさせながら山羊髯編輯長がスリ寄って来た。
「君は写真の補筆が出来ますか」
断っておくがこの時の吾輩は最早(もはや)、正式に入社していて、社長以下小使に到るまで顔が通っている。行く処、可ならざるなき吾輩の活躍ぶりに皆、舌を捲いているところだった。だから、もしやと思って山羊髯がコンナ事を頼みに来たのだろう。吾輩がうなずいて見せると山羊髯がモウ一度、眼をショボショボさした。
「それではこれを一つ直してくれませんか。上海(シャンハイ)○○新聞の切抜ですが。タテ二段ぐらいに縮めます。