Japanische Klassiker mit Furigana
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さんけいにいくるひとびと
山谿に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.699 Zeichen · 67 Bildschirme
何たる事であろう。
大山は、大山の兄の死を待っていたのだ。という事を十数年後の今になって、ハッキリ知ったのである。
大山は、その二人の子供が死んだ、という知らせを受け取ったのは、木曽川の落合川の発電所で働いている時であった。
そして今、十数年後、木曽駒ヶ岳、恵那山などの山によって距てられる、天龍河畔の鉄道工事場で、今度は叔母からの通信で、兄が朝鮮で死んだ、ということを知ったのである。
その簡単なハガキには、兄が朝鮮で死んだことを書いた後、「長男は盲腸で入院、他の子供たちは、それぞれお寺で、御厄介になって居ります。両親のない子供たちは実に可愛想です。どこを見ても、子供の多い人ばかりで無理もいわれませんので、閉口しました」
とだけ書いてあった。
大山は、丁場を休んでいたので、そのハガキを見ると、すぐに叔母に返事を出して、飯場の暗がりの中に、仰向けに引っくりかえった。
――ああ、兄貴もとうとう死んだのか。朝鮮で――
と、悲しみも伴わない追想。それはもうすっかり疲れ切って、ミイラにでもなってしまったような、過去の追想の中に陥った。
大山は十数年前、亡き二人の児の夢を見続けた。