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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんけいにいくるひとびと

山谿に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.699 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

この若者の小男が、一日の仕事を終えて、飯場に帰り、一風呂浴びて砂埃や汗を洗い落し、夕飯を済ますと、誰にも気づかれないように、お睦の白粉を棚から下ろし、それを顔中に塗りまくり、手拭で姐さん被りにし、それから、板壁に吊るしてあるお睦の着物を着、帯を締めて、飯場の一隅に立てかけてある米俵の奥に隠れるのであった。

外のもっと年のいった、経験の多い兄哥連は、晩酌を一本やったら、おだを上げたりして、まだ土間の飯台から立ち上がらないのだった。

空っぽの胃の腑に一本の酒が、まるで吹きつけるように、浸み込み、それで一層食慾を刺戟された、若い衆たちは、驚くほど馬食して、それが済むと、もう眠くなるのだった。

板張りの一ヶ所が囲炉裏に切ってあり、そこへ、釜の下の焚き落としを入れ、寝るまでのほんの暫くを、追想に耽ったり手紙を書いたりするのである。

ちょうどその時刻まで米俵の後ろで、息を殺して隠れていた、林田は、ハーモニカを吹き出すのであった。それは東京音頭であった。

すると、若い衆はもちろん、洗うために、笊の中に茶碗を入れかけた、お睦までが駆けつけるのであった。

「誰だい? 隠し芸を、凄い奴を知ってるなあ」