Japanische Klassiker mit Furigana
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さんけいにいくるひとびと
山谿に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.699 Zeichen · 67 Bildschirme
おまけに、現に二人の子供にまで、もう相当な風呂敷を背負わせているんだな。はて、生活って奴は、そんなもんだろうかなあ。こうちゃんとした自分の家があって、ちゃんとした生活の土台があって、ちゃんとした目論見を立てて、その目論見の通りに生きて行けないもんかしら。たとえば監獄――そうだ。あんまり規則づくめでも、こいつは面白くないて。とにかく、俺は先祖の位牌を血の中に流し、そいつを毎晩アルコールで醗酵させてるんだ。先祖はみんな死んじまった。一人だって生きてやしないんだ。おやじもおふくろも死んじまった。父方と母方の先祖は、ずいぶん死んだろうなあ。おっそろしい数だろうて。それが、とにかく俺んとこまでブラ下がって来てまた二つ下に結びっこぶがブラ下がっている。そうだ、何、大したこたあねえや。こういう混沌たる時代だ。俺一人が、何か人生を探究しなけりゃならん、という訳はあるまい。
「人類を幸福にするためには、一体どういう風にすればよござんすか」
なんて、ヒットラーやムッソリーニや、西園寺公に、一々聞いて廻るってのも、億劫じゃないか。第一、物騒な時世だ。日本だけじゃないや。