Japanische Klassiker mit Furigana
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やまみち
山道
中里 介山
Lesen Sie 山道 (やまみち) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.368 Zeichen · 15 Bildschirme
それは嘲笑でもなければ感笑(変な熟字だが)でもありません。一種異様の笑い声でありました。胆汁質の脊広は、ちっとも騒がずに演説口調の雄弁をつづけます。
「聞く処によると、あの際、浅草の観音堂の消防に当った人々はこの観音様を焼いてはならぬ、どうしても観音の御堂を我らの力で守り通して見せると、それは決死の勇気を以て消防に当ったそうです、それとあのお堂の膝元に避難に来た人々は焼かれなばこのお堂と諸共に死なば観音様と御一緒に……そこで、彼らは他の避難をすすめても動かずに観音堂の周囲に殉死の覚悟をきめて、大火に囲まれながら動かなかった信仰は物すごくもあり崇厳の極でもあったと聞きました――諸君、書物は学者の生命であります。殊に帝大の図書館の如きは生命を以てしても購い難きほどの貴重な国宝があったかも知れません、消防の設備はもとより完全であったでしょう、学者がそれを守り、それと運命を共にするの高尚な犠牲心が浅草の観音を守る市民と同じように行かなかったのは何故でしょう、これは千秋の恨事ではありませんか……」
一行は黙々として、この胆汁質の脊広の雄弁を聞き流している。
「学者がその宝庫を尊重すること市民が観音を信仰するほどの熱があったなら、あの図書館は亡びずして済んだでしょう……無論我々はこの一例を以て科学は亡び信仰は残るなんぞ