Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みんざんのいんし

岷山の隠士

国枝 史郎

Lesen Sie 岷山の隠士 (みんざんのいんし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.095 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

1

「いや彼は隴西の産だ」

「いや彼は蜀の産だ」

「とんでもないことで、巴西の産だよ」

「冗談を云うな山東の産を」

「李広の後裔だということだね」

「涼武昭王の末だよ」

――青蓮居士謫仙人、李太白の素性なるものは、はっきり解っていないらしい。

金持が死ぬと相続問題が起こり、偉人が死ぬと素性争いが起こる。

偉人や金持になることも、ちょっとどうも考えものらしい。

李白十歳の初秋であった。県令の下に小奴となった。

ある日牛を追って堂前を通った。

県令の夫人が欄干に倚り、四方の景色を眺めていた。

穢らしい子供が、穢らしい牛を、臆面もなく追って行くのが、彼女の審美性を傷付けたらしい。

「無作法ではないか、外をお廻り」

すると李白は声に応じて賦した。

「素面欄鉤ニ倚リ、嬌声外頭ニ出ヅ、若シ是織女ニ非ズンバ、何ゾ必シモ牽牛ヲ問ハン」

これに驚いたのは夫人でなくて、その良人の県令であった。

早速引き上げて小姓とした。そうして硯席に侍らせた。

ある夜素晴らしい山火事があった。

「野火山ヲ焼クノ後、人帰レドモ火帰ラズ」

県令は苦心してここまで作った。後を附けることが出来なかった。

「おい、お前附けてみろ」