Japanische Klassiker mit Furigana
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しまのくれがたのはなし
島の暮れ方の話
小川 未明
Lesen Sie 島の暮れ方の話 (しまのくれがたのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.109 Zeichen · 5 Bildschirme
ただ、波の岩に打ち寄せて砕ける音が、静かな夕空の下に、かすかに聞こえてくるばかりであります。
このとき、ふと旅人は、あちらに一軒のわら屋を見つけました。その屋根はとび色がかっていました。彼はその家の方に近づいてゆきますと、みすぼらしい家であって、垣根などが壊れて、手を入れたようすとてありません。彼は、だれが、その家に住んでいるのだろうと思いました。
だんだん近づくと、旅人は、二度びっくりいたしました。それはそれは美しい、いままでに見たことのないような、若い女がその家の門にしょんぼりと立っていたのでした。
女は、長い髪を肩から後ろに垂れていました。歯は細かく清らかで、目は、すきとおるように澄んでいて、唇は花のようにうるわしく、その額の色は白かったのです。
旅人は、どうして、こんな島に、こうした美しい女が住んでいるかと思いました。またこんな島だからこそ、こうした美しい女が住んでいるのだとも考えました。
旅人は、女の前までいって、
「私は、お宮のある村へゆきたいと思うのですが、どの道をいったらいいでしょうか。」といって、たずねました。
女は、にこやかに、さびしい笑いを顔にうかべました。