Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しまもり
島守
中 勘助
Lesen Sie 島守 (しまもり) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.146 Zeichen · 37 Bildschirme
夜。後ろの木立にきょうきょうと鷺の声がする。
二日
朝。鳥は山をこえる朝の光をみて さめよ さめよ さめよ と呼ぶ。呼ばれてさめるものはこの島に私ひとりである。そうしてさめて四周の清浄なことを思って心から満足をおぼえる。濶葉樹の葉ごしに緑の光がさして切るような朝の気が音もなく流れてくる。崖をおりて浜へ出る。村の人たちはまだ起きたばかりであろう、湖にも岡にも影がみえない。
食後。桟橋へでる。斑尾の道を豆ほどの荷馬がゆき、杉窪を菅笠がのぼってゆくのは蕎麦を刈るのであろう。そのわきには焦茶色の粟畑とみずみずしい黍畑がみえ、湖辺の稲田は煙るように光り、北の岡の雑木の緑に朱を織りまぜた漆までが手にとるようにみえる。妙高、黒姫も峰のほうはいつしか黄葉しはじめた。曳かれてゆく家畜のように列をなして黒姫から飯綱へかけ断続した朝の雲がゆく。水の底が遠くまで透けて日光につくられた金いろの網がぶわぶわとゆらぎ、根こぎにされた水草の芽が浮きもせず沈みもせずにゆらゆらと漂いあるく。
南の岡へゆこうとおもって島をでる。――註。島には船がなかった。たまたまきた船にでものったのだろう。