Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんなのしょうがい
嵐・ある女の生涯
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐・ある女の生涯 (あるおんなのしょうがい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.846 Zeichen · 96 Bildschirme
しばらくおげんは姪の顔を見つめたぎり、物も言えなかった。
「お玉はこのおばあさんを担ぐつもりずらに」
とおげんは笑って、あまりに突然な姪の嬉しがらせを信じなかった。
しかし、お玉が迎えに来たことは、どうやら本当らしかった。悩ましいおげんの眼には、何処までが待ちわびた自分を本当に迎えに来てくれたもので、何処までが夢の中に消えていくような親戚の幻影であるのか、その差別もつけかねた。幾度となくおげんはお玉の顔をよく見た。最早二人の子持になるとは言っても変らず若くているような姪の顔をよく見た。そのうちに、看護婦はお玉の方で頼んだ分をも一緒に、膳を二つそこへ運んで来た。おげんはめずらしい身ぶるいを感じた。二月か三月が二年にも三年にも当るような長い寂しい月日を養生園に送った後で、復た弟の側へ行かれる日の来たことは。
食後に、お玉は退院の手続きやら何やらでいそがしかった。にわかにおげんの部屋も活気づいた。若い気軽な看護婦達はおげんが退院の手伝いするために、長い廊下を往ったり来たりした。
「小山さん、いよいよ御退院でお目出とうございます」
と年嵩な看護婦長までおげんを見に来て悦んでくれた。