Japanische Klassiker mit Furigana
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あらし
嵐
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐 (あらし) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.007 Zeichen · 108 Bildschirme
私は今の住居に移ってから、三年も子供の大きくなるのを待った。そのころは太郎もまだ中学へ通い、婆やも家に奉公していた。釣りだ遠足だと言って日曜ごとに次郎もじっとしていなかった時代だ。いったい、次郎はおもしろい子供で、一人で家の内をにぎやかしていた。夕飯後の茶の間に家のものが集まって、電燈の下で話し込む時が来ると、弟や妹の聞きたがる怪談なぞを始めて、夜のふけるのも知らずに、皆をこわがらせたり楽しませたりするのも次郎だ。そのかわり、いたずらもはげしい。私がよく次郎をしかったのは、この子をたしなめようと思ったばかりでなく、一つには婆やと子供らの間を調節したいと思ったからで。太郎びいきの婆やは、何かにつけて「太郎さん、太郎さん」で、それが次郎をいらいらさせた。
この次郎がいつになく顔色を変えて、私のところへやって来たことがある。
「わがままだ、わがままだって、どこが、わがままだ。」
見ると次郎は顔色も青ざめ、少年らしい怒りに震えている。何がそんなにこの子を憤らせたのか、よく思い出せない。しかし、私も黙ってはいられなかったから、
「お前のあばれ者は研究所でも評判だというじゃないか。