Japanische Klassiker mit Furigana
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あらし
嵐
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐 (あらし) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.007 Zeichen · 108 Bildschirme
私はその二階へ上がって来た森さんとも一緒に、しばらく窓のそばに立って、久しぶりで自分を迎えてくれるような恵那山にもながめ入った。あそこに深い谷がある、あそこに遠い高原がある、とその窓から指して言うことができた。
「おかげで、いい家ができました。太郎さんにくれるのは惜しいような気がして来ました。これまでに世話してくださるのも、なかなか容易じゃありません。私もまた、時々本でも読みに帰ります。」
と、私は森さんに話したが、礼の心は言葉にも尽くせなかった。
翌日になっても、私は太郎と二人ぎりでゆっくり話すような機会を見いださなかった。嫂の墓参に。そのお供に。入れかわり立ちかわり訪ねて来る村の人たちの応接に。午後に、また私は人を避けて、炉ばたつづきの六畳ばかりの部屋に太郎を見つけた。
「とうさん、みやげはこれっきり?」
「なんだい、これっきりとは。」
私は約束の柱時計を太郎のところへ提げて来られなかった。それを太郎が催促したのだ。
「次郎ちゃんが来る時に、時計は持たしてよこす。」と言ったあとで、ようやく私は次郎のことをそこへ持ち出した。「どうだろう、次郎ちゃんは来たいと言ってるが、お前の迷惑になるようなことはなかろうか。