Japanische Klassiker mit Furigana
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ききょらい
帰去来
Lesen Sie 帰去来 (ききょらい) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.477 Zeichen · 31 Bildschirme
とても許される筈は無いのだ。
「なあに、うまくいきますよ。」北さんはひとり意気軒昂たるものがあった。「あなたは柳生十兵衛のつもりでいなさい。私は大久保彦左衛門の役を買います。お兄さんは、但馬守だ。かならず、うまくいきますよ。但馬守だって何だって、彦左の横車には、かないますまい。」
「けれども、」弱い十兵衛は、いたずらに懐疑的だ。「なるべくなら、そんな横車なんか押さないほうがいいんじゃないかな。僕にはまだ十兵衛の資格はないし、下手に大久保なんかが飛び出したら、とんでもない事になりそうな気がするんだけど。」
生真面目で、癇癖の強い兄を、私はこわくて仕様がないのだ。但馬守だの何だの、そんな洒落どころでは無いのだ。
「責任を持ちます。」北さんは、強い口調で言った。「結果がどうなろうと、私が全部、責任を負います。大舟に乗った気で、彦左に、ここはまかせて下さい。」
私はもはや反対する事が出来なかった。
北さんも気が早い。その翌る日の午後七時、上野発の急行に乗ろうという。私は、北さんにまかせた。その夜、北さんと別れてから、私は三鷹のカフェにはいって思い切り大酒を飲んだ。