Japanische Klassiker mit Furigana
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ききょらい
帰去来
Lesen Sie 帰去来 (ききょらい) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.477 Zeichen · 31 Bildschirme
それでいいんです。兄さんが留守なら、かえって都合がいいくらいだ。」
「北さんが、青森へ遊びに行くと言ったら、兄さん喜んだでしょう。」
「ええ、お家のほうへ電話してほうぼう案内するように言いつけようとおっしゃったのですが、私は断りました。」
北さんは頑固で、今まで津軽の私の生家へいちども遊びに行った事がないのである。ひとのごちそうになったり世話になったりする事は、極端にきらいなのである。
「兄さんは、いつ帰るのかしら。まさか、きょう一緒の汽車で、――」
「そんな事はない。茶化しちゃいけません。こんどは町長さんを連れて来ていましたよ。ちょっと、手数のかかる用事らしい。」
兄は時々、東京へやって来る。けれども私には絶対に逢わない事になっているのだ。
「くにへ行っても、兄さんに逢えないとなると、だいぶ張合いが無くなりますね。」私は兄に逢いたかったのだ。そうして、黙って長いお辞儀をしたかったのだ。
「なに、兄さんとは此の後、またいつでもお逢い出来ますよ。それよりも、問題はお母さんです。なにせ七十、いや、六十九、ですかね?」
「おばあさんにも逢えるでしょうね。もう、九十ちかい筈ですけど。