Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.952 Zeichen · 10 Bildschirme
此所が山中景色第一の所でした。
この辺一帯をかけて、その戦後の惨景は目も当てられず、戦い歇んで昼過ぎ、騒ぎは一段落附いたようなものの、それからまた一騒ぎ起ったというのは、跡見物に出掛けた市民で、各自に刺子袢纏など着込んで押して行き、非常な雑踏。するとたちまち人心は恐ろしいもので慾張り出したのであります。それは官軍が彰義隊から分捕った糧米を、その見物の連中に分配しますと、我も我もと押し迫り、そのゴタゴタ中に一俵二俵と担いで行く……大勢のことで、誰がどうしたのか、五十俵百俵はたちまち消えてなくなる。群集の者は、もう半分分捕りでもする気になり、勝手に振る舞い、果ては上野の山の中へ押し込んで行き、もう取るものがないと見ると、お寺の中へ籠み入って、寺中の坊さんたちの袈裟衣や、本堂の仏像、舎利塔などを担ぎ出して、我がちに得物とする。たちまち境内のお寺は残らず空ッぽとなり、金属のものは勾欄の金具や、擬宝珠の頭などを奪って行くという騒ぎで、実に散々な体たらく……暫くこの騒ぎのまま、日は暮れ、夜に入り、市民は等しく不安な思いで警戒したことであった。
さて、我々の方面はどうかというと、浅草の大通り一帯も、なかなか安閑とはしていられない。