Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.661 Zeichen · 4 Bildschirme
そうして今度は、その出来た原の形へ「石膏」という白粉のような粉を水に溶いたものを被せ掛けて型を取るのだそうな。だから非常に便利で、かつ原型そっくりのものが出来るということだ。というようなことを聞きます。けれども、実際、どういうことをやっているのか、実地を見るわけに行かないが、話に聞いただけでもどうも甚だ都合が好さそうに思われる。かねてから、私は木彫りというのはちょっと不自由な所があることを考えていた。それは、木彫りは一度肉を取り過ぎると、それを再び附け加えることは出来ない。この不自由なのに反して、増減自在でかつ幾日経っても軟らかなままであるという「脂土」のことを考えると、どうも、その土が至極のものと思われる。
「どうだろう。その脂土というものは売り物はないだろうか」
こう私はその話をした人に聞きますと、
「そりゃ、売り物にはないだろうが、工部学校から、どうかすれば出ないものでもあるまい、しかし非常に高価なものだそうだ」
「高価といってどの位するものだろうか」
「一寸四方一円位だそうな」
「なるほど、それは高い。とても我々の手にはまあ這入らない」
私は残念ながら、こういうよりほか仕方がありませんでした。