Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.975 Zeichen · 10 Bildschirme
私は相変らず降っても照っても西町の仕事場でコツコツと仕事をやっていた。
すると、時折ちょいちょい私の仕事場の前に立ち留まって私の仕事をしているのを見ている人がある。時には朝晩立つことがあるので、私も気が附き、その人の人品を見覚えるようになった。その人というのは小柄な人で、髯をちょいと生やし、打ち見たところお医師か、詩人か、そうでなければ書家画家といったような風体で至極人品のよい人である。格子の外から熱心に覗いて見ている。私も熱心に仕事をしているのだが、どうかしてちょっと頭を上げてその人の方を見ると、その人は面伏なような顔をしてふいと去ってしまう。こういうことが幾度となく重なっていました。
私は、妙な人だと思っていた。いずれ数奇者で、彫刻を見るのが珍しいのであろう位に思っていた。風采の上から、まず自分の見当は違うまいなど思っていた。とにかく私の記憶には、もう何処で逢っても見覚えのついている人であった。
すると、或る夏のこと、先年、私が鋳物師大島氏の家にいた時分、その家で心やすくなっていた牧光弘という鋳物師があって、久方ぶり私の仕事をしている処へ訪ねて来られた。