Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.795 Zeichen · 6 Bildschirme
それで、ドンなものを父は製えるかというと、この前話した火消し人形のようなものから、いろいろ妙なものがありますが、その中で、夏向きになって来ると、種々な虫の形を土で拵えて足は針金で羽根は寒冷紗または適当な物で造り、色は虫その物によって彩色を施し、一見実物に見えるよう拵えるのです。その種類は蜂、蝉、鈴虫、きりぎりす、赤蜻蛉、蝶々、バッタなどですが、ちょっと見ると、今にも這い出したり、羽根をひろげて飛び出そうというように見えます。
「どうだ。本当の赤蜻蛉に見えるだろう。このバッタはどうだ。この脚の張り工合が趣向なんだ」
などいって、障子の桟へなど留まらせると、本当に、赤蜻蛉とバッタが陽気の加減で出て来ているように見える。老人は得意になって、そのままぶらり何処かへ出て行ってしまう。何処へ行かれたかと思っていると、やがて帰って来られる。手に青々とした葦を持っている。何処か浅草田圃の方へ行って取って来たのでしょう。
「葦を取って御出でなすったね。それをどうするのですか」
「これか、これが趣向なんだ」
老人は細工は流々といったような自信のある顔をして、またぽつぽつ仕事を初め出します。