Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.232 Zeichen · 11 Bildschirme
一つが二十五円……今日の人が聞くと不思議と思う位でありましょう。その当時、檜の最良の木地が一つで一円五十銭二円もしたか。材料などのことは何とも思わない時分、今日で見れば木の値にも及ばぬ位のものでありましょう。しかし技術家としてはそういう問題は別のことで、製作に掛かってはただ一向専念で、出来るだけ腕一杯、やれるだけ突き詰めて行くことで、随分私もこの時は苦心をしました。彫工会の方でも余り気の毒だというので後で五十円御礼が参りました。
四頭の狆の製作は、彫工会の幹部の人たち、また実技家の方の人々の見る所となりました。私が、自分の口からいうのはおかしいけれども、これは大変に評判がよかった。というのは、第一見た所がいかにも派手で、鮮やかで、しかも図の様が変って珍しい。非常に綺麗なものであるから見栄がある。材が檜であるから水々しく浮き立っている。これを見て幹部の人々もよろこんだことでありましたが、しかし、今日から見れば、まだまだすべてが幼稚なもので、今であったら彫り直したい位に感じますが、当時はこうした作風はまず嶄新であって、動物を取り扱うことはこれまでもあるとしても、その行き方が従来の行き方と違って、実物写生を基として何処までも真を追窮したやり方でありますから、本当のものを目の前に出されたような気が観る人にも感じ