Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.778 Zeichen · 4 Bildschirme
それに若井氏の心持も分って私もその厚志に感じてやっている仕事であるから、いずれにしろ、御返事をしなければならないが、返事をするとなると、申し訳をするよりほかない。訳を話して日限に間に合わなかったことをいって、以前受け取った手附けの金をお返しするよりほかはないのでありますから、私は考えを決め、二十一年の十二月の大晦日の晩、手附けの金を懐にし(この金は封を切ったまま手箪笥の抽斗に入れて手を附けずに置きました。万一間に合い兼ねた時、これがなくなっていては申し訳が立たないから)、荒彫りのまま、チャボを風呂敷に包み、てくてく南鍋町の若井氏の宅を訪ねました。
「その後はどうしました。時に、御願いしてあった鶏は出来ましたか」
というようなことになりました。
私は、その後の製作の経過を物語り、とうとう日限に遅れた旨をお詫びし、手附けの金をお返しして一時前の契約を解いて頂き……彫りかけては置きません、いずれ仕上げます。出来上がれば是非御覧に入れます、その時御意に入ったら御取り置き下さい。とにかく、御約束を無にしたのは私が悪いのですと若井氏へ申し納れました。
若井氏は私の申し納れを大分不機嫌な顔をして聞いておりましたが、その話はそれとして、何よりまずその荒彫りを見せて頂こうといいますから、私は風呂敷を解きました。