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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.821 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

が、不幸にしてふき損って蝋を流してしまったので、折角苦心してこしらえた馬の形は跡形もなくなってしまった。それには後藤氏も実に驚いた。こんな迂遠なことでは便りにならん、どうしても、木で彫るより仕方がないというので、東京中の仏師屋を歩き廻って木彫りの稽古をつけてくれる師匠を探して見たが、何処でも「あなたのような年輩の方が今から彫刻を初めるといってもそれは大変、子供の時から年季を入れて稽古をしても、まず物になるには十年も掛かる……どうもこれは思い切りなすったがよかろう」などと相手になってくれませんので、後藤氏も大いに弱ったがふと私のことを思い出した。

というのは、私が大島如雲氏の宅に原型の手伝いをしていた時代(この事は前に話しました)、この後藤氏が如雲氏の工場へ見学に来られて、私が其所で木彫りをやっているのを見て、自分にも心があるから、つい、私と近づきになっていた。その事を思い出したので、西町に住まっている私をわざわざ尋ねて来られた次第であった。

或る日、私が仕事をしていると、がちゃがちゃサアベルの音をさせて人が這入って来たから私は戸籍調べが来たのかと思って見ると、その人は顔馴染のある後藤貞行さんであった。