Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.451 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

時は三月で、まだ余寒が酷しく、ぶるぶる震えながら鹿沼在を出かけましたが、村端れに人力車屋が四、五人焚火をして客待ちをしております。私たちは、彼らの前を通れば、必ず向うから声をかけて乗車をすすめることと思っていたのに、くるま屋は何ともいわず、通り過ぎても黙っていますので、少し当てがはずれ、こっちから立ち戻って言葉を掛け、発光路まで幾金で行くねと聞きますと、発光路って何処だいと一人の車夫はいってるのには驚きました。も一人の車夫は発光路ってこれから四、五里もある山奥だ、道が悪くてとても大変だよといっている。そんな処はおれは御免蒙りだといったり、道が遠くて骨が折れるからまあよそうなどと、とても話になりそうでなく、強いて乗ろうといえば足元を見られるに決まっているので、後藤君は軍人だけに健脚で「何も車に乗るほどのことはありません。発光路まで歩きましょう」と歩きかけますので、私は少々困ったが、まだ若い時のこと「では歩きましょう」と二人でてくてく歩きはじめました。

山にはまだ雪が白く谿間などには残っており、朝風は刺すように寒く、車夫のいった通り道もわるい。もうよほど歩いたから、発光路も直だろうと、道程を聞いて見ると、ちょうど半途だというので、それからまた勇気を附けて歩きましたが、歩いても、歩いても発光路へは着かない。