Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひらがげんないとりものちょう

平賀源内捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.946 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

山王さまの氏子が、このくらいの暑さに萎たとあっちゃ、江戸ッ子の顔にかかわる、なんて元気な返事をしたそうです」

源内先生は、怪訝そうな顔で、

「なに、誰が返事をしたんだって」

「誰がって、里春がでさア」

「こりゃちと面妖だな。わしの推察じゃ、里春は、練出さない前に殺されていたはずなんだが、死人が口をきくというのはどういうものだろう」

「源内先生、あなたはひどく見透したようなことを仰言いますが、今も言ったように、四人がちゃんと里春の声を……」

「それはわかったが、聞いたということに証拠があるか。あったら出して見せろ」

「そんな無理を仰言ったってしようがない」

「ほら、見ろ、こう突込まれただけでよろけるようなチョロッカなことじゃ何の足しにもなりはしない。それくらいのことなら四人の口合いでも出来ることだし、ひょっとすると、そのうちの誰かが里春の声色を使ったのかも知れない。足へ入ってる四人は、お互いに姿が見えないのだから、小智慧の廻る奴なら、そのくらいのことはやってのけるだろう」

「まア、そう言えばそうですが、ここに一つ、どうしても定太郎に逃れられない弱い尻ッ尾があるんです」