Japanische Klassiker mit Furigana
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へいまとうぐいす
平馬と鶯
林 不忘
Lesen Sie 平馬と鶯 (へいまとうぐいす) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.130 Zeichen · 21 Bildschirme
。籠を隔てて二羽の鶯が何事か親しげに囁き合っているように見える。
少女はうれしそうににっこりして、そして新来の珍客を驚かさないように気をつけながら、そっと籠のそばへ寄った。この、どこからともなく飛んで来た鶯も、長らく人に飼われていたものとみえて、少女が近づいても逃げようともしない。で、ふとその脚を見た少女は、急いで籠の外のうぐいすを押えた。紅筆のような鶯の脚に小さな紙片がしばってあるのだ。
少女が紙を解いて見ると、小さく畳んだ手紙のようなものである。鶯はそのまま放してやって、少女が手早く紙をひろげようとしていると、後で荒々しい音がした。振り返って見ると、兄の鏡之介である――真庭念流の剣客で、下妻藩の若侍たちのあいだに、牛耳をとっている荒武者。
「千草、何だその手紙は?」
と、鏡之介はすぐに少女の持っている紙片に眼をつけた。千草と呼ばれた少女は、もう怖そうにおずおずと、兄鏡之介の前へその紙を差し出した。
引ったくった鏡之介が読んでみると――。
下妻の方々へ申す。
平馬をはじめ結城藩の若侍一同、今宵深更、結城の城下はずれの森に会合致し、筑波神社祭礼神前仕合の策戦をなすよし、たしかなる筋より聞き及び候間御参考にまで密告仕侯。