Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふくにくらしたふたり
幸福に暮らした二人
小川 未明
Lesen Sie 幸福に暮らした二人 (こうふくにくらしたふたり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.713 Zeichen · 12 Bildschirme
南洋のあまり世界の人たちには知られていない島に住んでいる二人の土人が、難船から救われて、ある港に着いたときでありました。
砂の上に、二人の土人がうずくまってあたりの景色に見とれていました。その港はかなり開けたにぎやかな港でありましたから、華やかなふうをしたいろいろな人が歩いていました。またりっぱな建物も見られました。そして、あちらには、煙突から黒い煙が上がって、その煙は雲切れのした大空を沖の方へとなびいていました。
それから目に見るもの、また、耳に聞くもの、一つとしてこの二人の黒んぼの心を驚かさないものはなかったのです。二人はあちらに見える、白く塗った三階建ての家屋を見ましたときに、それがなんであるかすらもよくわからなかったのでした。しかし、自分たちと異った人間がそばの家々から顔を出してのぞいたり、またその中に動いたりしているようすなどを見ると、あちらの美しい建物の中には、もっと力の強い、偉い人間が住んでいるのだろうということを想像しました。それにつけても、こんな美しい街がどうしてできたものか、まただれによって、どうして美しく地上にいろいろなものが造られたのであるか、それを考えることすらが、二人にはできなかったのであります。