Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふくにくらしたふたり
幸福に暮らした二人
小川 未明
Lesen Sie 幸福に暮らした二人 (こうふくにくらしたふたり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.713 Zeichen · 12 Bildschirme
「自分の故郷はどちらだろう……。」
二人の黒んぼは、いい合わしたように、左を見たり、右を見たりして、涙ぐみました。
日の光がかげって、天気が変わりそうになったので、そばに立っている人々は、しだいに少なく、みんなあちらにいってしまいました。
ちょうどこのとき、一人のおじいさんがつえをついて、前を通りかかりましたが、懐から財布を出して、一つの銀貨を二人のうずくまっている前に投げ出して立ち去りました。
ぴかぴか光る銀貨は、砂の上に落ちて光っていました。二人の故郷では銭というようなものがなかったから、それがなんであるかわかりませんでしたけれど、ただ、その美しい光に魅せられて、二人のうちの年とったほうが、真っ黒な毛の生えた、つめの伸びた黒い手でふいに、小鳥をつかむときのようにすばしこく銀貨を握ってしまいました。
二人のものに、ものを恵んでくれたものは、このおじいさん一人だけでした。それほど、あまり姿が違っていたので、この街の人々には、かわいそうというほどの同情の念が起こらなかったのであります。
二人は、幾日めかで陸に上がって、はじめて砂の上にうずくまったのであったが、まもなく、船の人がきて、二人は、あちらに連れられてゆきました。