Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

まぼろしのかなた

幻の彼方

豊島 与志雄

Lesen Sie 幻の彼方 (まぼろしのかなた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.763 Zeichen · 84 Bildschirme

Aozora Bunko

「結核性腹膜炎です。」

思いもつかない病名に、順造はただ医学士の顔を見守った。医学士は煙草に火をつけて、病人の顔を暫く見守った。

「出来るだけ動かないようにしなければいけませんね。」

それから、病院にはいってはどうかと勧めた。子供のためには乳母の必要があると命じた。不完全な牛乳は最も危険だそうだった。

乳母の方は、ありさえすれば問題ではなかった。入院の方は秋子がどうしても承知しなかった。

「私子供の側で死にたいから。」と彼女は云った。

「死ぬの生きるのというほどのことではありません。入院して早く癒った方がよくはありませんか。」

それでも秋子は承知しなかった。順造の顔を懇願の眼付でじっと眺めた。

順造は決心した。家でやることにきめた。看護婦を傭う事は医学士が引受けてくれた。

順造は乳母が来るまで二人ほしいと頼んだ。

「大丈夫だから、安心しておいで。」

秋子が強く首肯いたので彼は嬉しかった。彼はすぐに桂庵へ行った。赤茶けた髪の婆さんが出て来た。頭から足先までじろじろ見られるので、可なり不快な気がしたが、それを我慢して乳母を頼んだ。

「宜しゅうございます。心当りが一人ありますから、聞き合せてみましょう。