Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まぼろしのたて

幻影の盾

夏目 漱石

Lesen Sie 幻影の盾 (まぼろしのたて) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.372 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

「いやこれは御無礼……何を話す積りであった。おおそれだ、その酒の湧く、金の土に交る海の向での」とシワルドはウィリアムを覗き込む。

「主が女に可愛がられたと云うのか」

「ワハハハ女にも数多近付はあるが、それじゃない。ボーシイルの会を見たと云う事よ」

「ボーシイルの会?」

「知らぬか。薄黒い島国に住んでいては、知らぬも道理じゃ。プロヴォンサルの伯とツールースの伯の和睦の会はあちらで誰れも知らぬものはないぞよ」

「ふむそれが?」とウィリアムは浮かぬ顔である。

「馬は銀の沓をはく、狗は珠の首輪をつける……」

「金の林檎を食う、月の露を湯に浴びる……」と平かならぬ人のならい、ウィリアムは嘲る様に話の糸を切る。

「まあ水を指さずに聴け。うそでも興があろう」と相手は切れた糸を接ぐ。

「試合の催しがあると、シミニアンの太守が二十四頭の白牛を駆って埒の内を奇麗に地ならしする。ならした後へ三万枚の黄金を蒔く。するとアグーの太守がわしは勝ち手にとらせる褒美を受持とうと十万枚の黄金を加える。マルテロはわしは御馳走役じゃと云うて蝋燭の火で煮焼した珍味を振舞うて、銀の皿小鉢を引出物に添える」