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Japanische Klassiker mit Furigana

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げんだん

幻談・観画談 他三篇

幸田 露伴

Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

仕方がないから割に高いけれども、腹の中に目的があるので、先方のいい値で買って、わが家へ帰ると直にこの話をした、勿論親父に悦ばれるつもりであった。すると親父は悦ぶどころか大怒りで、「たわけづらめ、慾に気が急いて、鐙の左右にも心を附けずに買いおったナ」と罵られた。金八も馬鹿じゃなかった。ハッと気が付いて、「しまった。向後気をつけます、御免なさいまし」と叩頭したが、それから「片鐙の金八」という渾名を付けられたということである。これは、もとより片方しかなかった鐙を、深草で値を付けさせて置いて、捷径のまわり道をして同じその鐙を京橋の他の店へ埋めて置いて金八に掘出させたのだ。心さえ急かねば謀られる訳はないが、他人にして遣られぬ前にというのと、なまじ前に熟視していて、テッキリ同じ物だと思った心の虚というものとの二ツから、金八ほどの者も右左を調べることを忘れて、一盃食わせられたのである。親父はさすがに老功で、後家の鐙を買合せて大きい利を得る、そんな甘い事があるものではないというところに勘を付けて、直に右左の調べに及ばなかったナと、紙燭をさし出して慾心の黒闇を破ったところは親父だけあったのである。