Japanische Klassiker mit Furigana
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げんだん
幻談・観画談 他三篇
幸田 露伴
Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme
で、また私は釣れた日でも釣れない日でも、帰る時にはきっと何時でも持って来た餌を土と一つに捏ね丸めて炭団のようにして、そして彼処を狙って二つも三つも抛り込んでは帰るのだよ。それは水の流れの上ゲ下ゲに連れて、その土が解け、餌が出る、それを魚が覚えて、そして自然に魚を其処へ廻って来させようというためなのだよ。だからこういう事をお前に知らせるのは私に取って得なことではないけれども、わたしがそれだけの事を彼処に対してしてあるのだから、それが解ったらわたしに其処を譲ってくれても宜いだろう。お前の竿では其処に坐っていても別に甲斐があるものでもないし、かえって二間ばかり左へ寄って、それ其処に小さい渦が出来ているあの渦の下端を釣った方が得がありそうに思うよ。どうだネ、兄さん、わたしはお前を欺すのでも強いるのでもないのだよ。たってお前が其処を退かないというのなら、それも仕方はないがネ、そんな意地悪にしなくても好いだろう、根が遊びだからネ。
と言って聴かせている中に、少年の眼の中は段※(二の字点、1-2-22)に平和になって来た。しかし末に至って自分は明らかにまた新に失敗した。