Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいせんのひみつ
幽霊船の秘密
海野 十三
Lesen Sie 幽霊船の秘密 (ゆうれいせんのひみつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.846 Zeichen · 62 Bildschirme
生憎入っている信号は、息もたえだえといいたいほど微弱であったが、彼は懸命にそれを捉えた。その微弱な信号に、死に直面した夥しい生命が托されているのだ。
「どうだい、方向はとれたか」
「はい、とれました。ほぼ南南東微東です」
「なに、南南東微東か」
局長は受話機を下において、急な口調でいった。
「さあ、すぐ船長に報告だ。電話をしたまえ」
丸尾は、交換台の接続を終ると、呼出信号を鳴らしつづけた。しかし船長室の受話機が取りあげられるまでには、かなりの時間がかかった。
「船長が出ました」
「おうそうか」
局長は紙片を手にとって、マイクに近づき、
「船長、ただ今SOSを受信いたしました。遺憾ながら電文の前の方は聞きもらしましたので途中からでありますが、こんなことを打ってきました。“――船底ガ大破シ、浸水ハナハダシ。沈没マデ後数十分ノ余裕シカナシ。至急救助ヲ乞ウ”というのです」
「どこの汽船かね。そして船名はなんというのかね」
船長が、聞きかえした。
「それがどうもよくわかりません。“船名ハ――”とまでは、打ってきましたが、そのあとは空文なんです。符号がないのです。どうも変ですね。