Japanische Klassiker mit Furigana
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にわをつくるひと
庭をつくる人
室生 犀星
Lesen Sie 庭をつくる人 (にわをつくるひと) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.332 Zeichen · 19 Bildschirme
苔は山土の赭いのを敷けば一二年で生えるものであるが、石に苔の生えることは一二年では難しく、そういう浅はかな心は棄てなければならない。苔の生えるまで永い雨の年月を待つのは雅人のこころとしても、苔を植えるの徒はわが党ではない。飛石のへりに日苔のしがみついた形、色の食い込みは紙魚のある一帖の古本のように懐しいものである。わたくしは石の上の蝸牛、いなご、せきれいの影を慕うものであるが、真寂しい曇天或は雨日の景をも恋うものである。拝石などと言って庭中清浄の境に置いて、これを拝む定石はあるそうであるが、わたくしはこんな古いことは廃めてもよいと思うている。池ぎわには垂鉤石というものがあったり、硯滴石、硯用石、筆竿石、筆架石などという名前があるが凝れば自らそう名づけて見たいであろう。その他鴛鴦石や虎渓石、陰陽石などというのも、石の形から考え出したものである。兼六園などはこれらの古い名前の石がところどころに置かれ、古きに則っている。陰陽石などは庭のどこかに昔は隠して入れたものであるそうであるが、詰らないことをしたものであるというより、何か縁起を取り入れたようで微笑まれるようである。