Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にじ

彩虹

山本 周五郎

Lesen Sie 彩虹 (にじ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.898 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「……昨夜の佳麗はあの料亭のむすめだというが、其許はよほど親しくしているのか」

話題がとつぜん変ったので伊兵衛は返答に困った。

「そんなこともないが」

「だって家族の部屋で、二人差向いになっているくらいじゃないか」

「あの家へは小さい時からよく父に伴れられて食事をしにいった、それで普通よりは気安くしているというのだろうかな」

「あの女を嫁に欲しいんだ」

あっさりと宗之助は云った。

「いいむすめだ、あのしっとりとした美しさは類がない、縹緻も良いがあの縹緻は心ざまの良さが裏付けになっている、おれはいきなり楽器を思った、弾き手の腕しだいでどんな微妙な音をも出す名器、そんな感じだ、なんとしてでも嫁に欲しいんだが、其許から話してみて呉れないか」

三

「しかしそれは、両方の身分がゆるさないだろう」

「なにそういう点は自分で処理する、其許はただ相手へおれの意志を伝えて呉れればいいんだ」

「信じ兼ねるなあ」

伊兵衛は首を振った。

「……なにしろこっちは国家老になる体だし、向うは料亭のむすめだからな、少し違いすぎるよ」

「ばかを云え、江戸では芸者を妻にする者だって珍しくはないんだ、もし本人に来る気持があれば正式に人を立てるから、頼むぞ」