Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
Lesen Sie 影男 (かげおとこ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.133 Zeichen · 310 Bildschirme
海上の密談
それを壁の数で割れば、平均の壁の厚さが出るわけです。この建物をそうして計算してみますと、壁の厚さの平均がおそろしく厚いものになるでしょう。なぜといって、いま塗りつぶしたこのへやが、やはり壁として計算されるからです。これが昔から秘密のへやを捜し出す手段なのです。わたしはそれをよく知っています。ですから、そういう計算をするような人間は、けっしてこの家に入れませんよ。しっかりした執事を置いて、わたしのるす中もまちがいのないように計らいます。その点は、わたしをお信じください」
こうして、川波良斎はその目的を達し、満足して引き揚げていった。
海上の密談
影男は小説家佐川春泥として小説執筆のための風変わりな書斎を建築したばかりであった。影男は東京にも地方にも多くの家を持っていたが、世田谷区の蘆花公園の近くにも、樹木の多い広い地所と、隠居所ふうのささやかな日本建ての家があった。その庭の林の中に、十坪ほどの赤レンガの書斎を建てた。
とんがり帽子のようなスレートぶきの屋根もでき上がり、完成もまぢかに見えた。青々とした大樹にとりかこまれた奇妙な赤レンガの建物は、いかにもうつりがよくて、大昔の西洋の風景画を見るような感じだった。