Japanische Klassiker mit Furigana
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かれはだれをころしたか
彼は誰を殺したか
浜尾 四郎
Lesen Sie 彼は誰を殺したか (かれはだれをころしたか) von 浜尾 四郎 (はまおしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.147 Zeichen · 27 Bildschirme
無論子爵は之を良心の苛責と信じるからその確信はますます堅くなる。そこで愈復讐の決心をする。偶然或る日、日比谷公園のドライヴ中某紳士を発見する。いつか又出会わす。之を知った子爵は某紳士の通る時間をはかって自動車を駈って摺れちがう。之から毎朝時間をいままでより早目に出る事にする。そうして半年の間二人は毎日のようにすれ違って居たわけです。之は子爵にとって二つの意味で重大であった筈です。一つは無論『仇の様子』を探る為です。他の意味は、もし某紳士が真犯人とすれば、子爵が殺した相手の兄だと知って居る彼にとって、毎朝偶然子爵に会うと云うことはたしかに一種の恐怖であり従って神経の弱って居るその男の態度に必ず変った所が見い出されるに違いない。そこで約半年子爵と某紳士とは摺れ違って居たとする。すると何日頃からか知らないけれども子爵はさっき云った妙な事実に気が付きはじめた、即ちある一定の時間に全く往来が途絶えるという事実。この事実が素晴しい手段を思い付かせたに相違ありません。
之からこの子爵が、犯人としてどの位頭がいいかを説明しましょう。先に云った理由によって子爵が行おうとする殺人のモーティヴは決して暴露する危険はない。