Japanische Klassiker mit Furigana
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おうまじるしはいしゃく
御馬印拝借
山本 周五郎
Lesen Sie 御馬印拝借 (おうまじるしはいしゃく) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.483 Zeichen · 43 Bildschirme
六
のか、……この品がなんだか知っているかと訊いたら、信夫は顔さえ赧らめながら、――存じておりますと答えた、それは牡丹の鏡であるということよりも、その鏡のもっている意味をさしているようすがあきらかだった、少なくともかれにはそう見えたのである。もしすでに河津と云い交わしてあったとすれば、へいぜいの信夫としてあのような態度を見せられるわけがない、そう考えるのは誤りであろうか。――信夫の良人はおれだという虎之助のはげしい表情と、頬を赧らめながら心をきめたようにふり仰いだむすめの眼とが、牡丹の鏡を中心にして解きがたい謎を源七郎に押しつけるようだった。もちろんそんなことにいつまで心を苦しめていたわけではない、かれは妄念をふり棄てるようにすぐそのことを忘れた、今どんな小さなことを思う余地もないほど、かれの立場は重要である、そしてじっさい、間もなく敵陣の活気だってくるのがみえはじめた。
六
敵はひましに兵を増強した。遠い平原のほうから山峡の道を縫って、丘陵をまわり森をぬけて、人馬の足もとから立ちのぼる土埃がうねうねと動き歇まなかった、ことに檜峠のあたりでは旗差物のひらめく