Japanische Klassiker mit Furigana
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おうまじるしはいしゃく
御馬印拝借
山本 周五郎
Lesen Sie 御馬印拝借 (おうまじるしはいしゃく) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.483 Zeichen · 43 Bildschirme
つもりはありません、死にもの狂いになって戦い、りっぱに討死とかくごしています、それだからこそこんなことを云うのです、信夫どのおねがいです、出陣のはなむけに約束して下さい、みれんではない、日頃のねがいをたしかめてゆきたいのです、無礼もぶ作法も知ってのおたのみです、信夫どの、どうか承知したと云って下さい」抑えに抑えたものが迸り出るような言葉だった、討死とかくごを決めた若い生命の、それがさいごの叫びだろう、真一文字につきつめた声音を浴びて、信夫は紙のように色を失った、「……はい」と夢中で頷いた、「はい……わたくし」「ああ約束して呉れますか」ああと虎之助は燃えるような眼で大きく空をふり仰いだ、「ありがとう、これで心残りなく出陣することができます、あなたの心さえたしかめればあとの話は改めて……いや、それはいま云う必要はありません、ありがとう信夫どの」かれは手を差出そうとしたが、さすがにそうは仕かねたとみえ、時刻が迫っているからと云って、情熱の溢れる眼でじっと信夫を見まもり、すぐに決然と身をひるがえして裏木戸から去っていった。
すべてはあっという間の出来事だった。