Japanische Klassiker mit Furigana
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おたか
御鷹
吉川 英治
Lesen Sie 御鷹 (おたか) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.767 Zeichen · 18 Bildschirme
二
――今朝はいらん』
二
『――修業して来い、両三年』
突然、父の新五左衛門が、親類一同の相談を突きつけて、こう伜の弁馬に申し渡すのであった。
『甘やかして育てたわしが、誰よりも悪い。然し、貴様もまだ二十四、今からでも遅くあるまい。お役向きのほうは、一切、従兄弟の小平太が済ましてくれるという。今日からでよいのだ、すぐ立て』
弁馬は、あばたの為に、人いちばい厚ぼったい唇に不平を示して云った。
『どこへですか』
『馬鹿』
『何が、馬鹿で』
『わからんか、伯父御、叔母御まで、こうして貴様の為に――いや家名の為にだ――案じてお居でられる事が』
『わからない!』弁馬は、父の前の煙草盆を、自分の膝へ引っぱり寄せて、
『――眼をさますと、いきなりここへ来い、ここへ来ると、又唐突に修業に出ろ。――わかる筈はない』
新五左は、唇へ歯を当てて、
『これじゃよ! 何うもならん』
と、隣りの老人へ匙を投げていう。弓町の旗本に用人をしている伯父である、寒いのでかじかんでいる手を、先刻から火鉢にもかけず、膝に節を立てて、弁馬を睨めつけていたが、
『これ。――これこれ、何を云うかおまえは。黙って、三年ばかり他国へ行って、他藩のお鳥見小屋へ御奉公してこい。