Japanische Klassiker mit Furigana
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ふっかつさい
復活祭
久生 十蘭
Lesen Sie 復活祭 (ふっかつさい) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.018 Zeichen · 23 Bildschirme
カウントしてくださいね。半分払うわ」
「そんなことはどうでもいい。さあこれでお祭りはすんだ。早く帰ってそのドレスを返さないと。それにユウは昼番だろう」
川田はしおれて小さくなった襟のミモザの花をぬいて海へ捨てると、鶴代の肱をとってジープへおしあげた。
薄靄のかかった朝の町をジープが飛びあがるように走って行く。百貨店の高い塔の上にある航空標識がパッと消え、ノース・アメリカンの旅客便が定時に羽田のコースへ入ってきた。
お祭りはすんだ。観光ホテルのデスクで働いて、なんということもなくチビチビとドルを貯めていた。ルーム・メードはドルの貰いや現物給与が多いので、デスクをやめてメードになろうかと思ったことさえある。ドルを貯めて小原のいるアメリカへ行くつもりだったらしい。今日からはもうドルなんか貯めるのはよそう。行きあたりばったりに生きていくだけ。夢や希望がなくなり、憎しみだけがふえるだろう。ホテルでは気位の高い気むずかしいやつだと思われているらしい。それは自分だけの夢にはまりこんでいたから。今日からは、ひねくれた、意地の悪い、ご注文どおりのオールド・ミスになっていくだろう。