Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくしゅう
復讐
夢野 久作
Lesen Sie 復讐 (ふくしゅう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.695 Zeichen · 46 Bildschirme
「……又……実松氏の貯金を無くしたのは誰でもない実松氏自身で、その金は遊興費か何かに費消されてしまったものとしたら、どうでしょうか。そんな風には考えられぬでしょうか」
「……………」
「……そういう風に三ツの出来事をバラバラにして、一ツ一ツに平凡な出来事として考えて行く方が、この事件を計画的な殺人と考えるよりも却って常識的で、非小説的ではないでしょうか……すなわち事実に近いと思われはしないでしょうか」
「……そ……そうすると……」
と健策は眼を光らせながら、すこし狼狽したように身を乗り出した。
「そうすると何ですか……実松氏が発射した二発の散弾は、やはり本当の獣か何かを狙ったものなんですね」
「イヤ……そこなのです」
と黒木は反対に反り身になった。さも得意そうに白湯を一口飲むと、悠々と舌なめずりをした。
「……私もそう考えたいのです。……が……そうばかりは考えられない別の理由があるのです。実を云うとこれから先が私の本当の直感ですがね」
「……その直感というのは……」
と健策は益々身を乗り出した。同時に黒木はいよいよ反りかえって行った。
「……手早く申しますと実松源次郎氏は、その払暁前の雪の中で、或る恐怖に襲われたのではないかと思われるのです」