Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょう
微笑
横光 利一
Lesen Sie 微笑 (びしょう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.911 Zeichen · 50 Bildschirme
その秋から激しくなった空襲の折も、梶は東京から一歩も出ず空を見ていたが、栖方の光線はついに現れた様子がなかった。梶は高田とよく会うたびに栖方のことを訊ねても、家が焼け棲家のなくなった高田は、栖方についてはもう興味の失せた答えをするだけで、何も知らなかった。ただ一度、栖方と別れて一ヶ月もしたとき、句会の日の技師から高田にあてて、栖方は襟章の星を一つ附加していた理由を罪として、軍の刑務所へ入れられてしまったという報告のあったことと、空襲中、技師は結婚し、その翌日急病で死亡したという二つの話を、梶は高田から聞いただけである。栖方と同じ所に勤務していた技師に死なれては、高田もそこから栖方のことを聞く以外に、方法のなかったそれまでの道は断ちきれたわけであった。随って梶もまたなかった。
戦争は終った。栖方は死んでいるにちがいないと梶は思った。どんな死に方か、とにかく彼はもうこの世にはいないと思われた。ある日、梶は東北の疎開先にいる妻と山中の村で新聞を読んでいるとき、技術院総裁談として、わが国にも新武器として殺人光線が完成されようとしていたこと、その威力は三千メートルにまで達することが出来たが、発明者の一青年は敗戦の報を聞くと同時に、口惜しさのあまり発狂死亡したという短文が掲載されていた。