Japanische Klassiker mit Furigana
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「しんりしけん」じょ
心理試験
小酒井 不木
Lesen Sie 心理試験 (「しんりしけん」じょ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.338 Zeichen · 197 Bildschirme
テーブルの上にのせた手を組んで、前かがみに椅子に腰かけ、宝石の光に刺戟されて、色々の追想にふけるのでした。秋の夜の戸外は至って寂しく、お寺の多い町の静けさは、人々に一種の鬼気を感ぜしめないではおきません。
「美しい!」と、箕島が小声でいいました。
「すごい!」と、仙波がいいました。
「素敵だ!」と、京山がいいました。
それから、再び沈黙が続きました。
凡そ三十分程鑑賞の沈黙が続いたとき、聴覚の最もよく発達した箕島は戸外にある一種の異様な物音をききました。もし三人の聴覚が同じ程度の鋭敏さであったならばこれから述べるような悲劇は起らなかったであろうに、仙波と京山の二人は、年は箕島と同じく三十五六歳でありながら、耳の発達が普通で、その時何の音をも聞かなかったのであります。
だから箕島が、青色のダイヤモンドの方へ、フッと手をのばして、瞬く間に、口の中へ入れてぐっと嚥みこんだ時には、箕島が戸外の物音を警察の追跡と直覚し、危険を恐れてダイヤモンドを体内にかくしたのだとは思わず、反対に箕島がそのダイヤモンドを独占しようとしたのだと誤解したのであります。
仙波と京山とは、同時に箕島におどりかかりました。