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Japanische Klassiker mit Furigana

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「しんりしけん」じょ

心理試験

小酒井 不木

Lesen Sie 心理試験 (「しんりしけん」じょ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.338 Zeichen · 197 Bildschirme

Aozora Bunko

店の品物の整理係をつとめているので、こんど整理の日が来るまでにお金を作って質屋から請出し、そのままもとにかえして置けばよい、こう単純に考えて暮して来たのだが、それが思いがけなくも、主人に勘附かれたと見える……

「なぜ、あんなことをしたのだろう」

こうも彼は思って見た。大丈夫発覚はすまいと思った自信が彼を迷わしたのだ。自分はなぜ男らしく、主人に事情を打ちあけてお金を借りなかったのか。

けれども、恋人のために金がいると話すのは何としても堪え難いところであった。それかといって、主人に知れてしまった今となっては、所詮一度は気まずい思いをせねばならない。その結果、店にいることすら出来なくなるかも知れない。

「だが、主人とても、まだはっきり自分が盗んだとは思うまい。ほかにまだ数人の店員がいるのだから、いっそいつまでも黙って突張ろうか」

遂にはこんな自暴自棄な考えまで起こった。

いつの間にか乗客が殖えて、清三と鳥打帽の男との間は遮られた。清三が恐る恐る首をのばして男の方をながめると、男は相変らず夕刊に耽っていた。

清三は、今のうちに立ち上った方がよいと思って、次の停留場が来るなり、こそこそと電車を降りた。