Japanische Klassiker mit Furigana
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「しんりしけん」じょ
心理試験
小酒井 不木
Lesen Sie 心理試験 (「しんりしけん」じょ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.338 Zeichen · 197 Bildschirme
清三は本能的に電柱の蔭に身をかくした。探偵は幸いに反対の方向に歩き去ったので彼はほッとした。けれども、それと同時に不安が雲のように湧き起こった。
「どこまで狡猾な男だろう。何気ない風をして、きっと妙子にあって自分のことをきいたのだろう。それにしても子供を連れて来るとは何という巧妙な遣り口だろう。まるで散歩しているように見せかけて、その実熱心に探偵してあるくのだ」
清三は恐ろしい気がしたので、いっそそのまま引き返そうと思ったが、その時二階の障子があいて妙子のにっこりした顔が招いたので、思わずも引きつけられて、中へはいった。
清三は、嬉しそうに迎えてくれた妙子の顔を暫く見つめていたが別に何の変った様子も見られなかった。
「妙子さん」彼は遂に堪えられなくなっていった。「今このうちから子供を連れた男の人が出て行ったが、もしや妙子さんにあいに来たのでない?」
「いいえ」と妙子は驚いた様子をした。「何だか下へ御客様があったようだけれど、どんな人だか知らぬわ」
「きっとあわなかった?」
「ええ、なぜそんなことをきくの?」
「それでは、下の小母さんにきいて来て下さい、今の人は何しに来たといって」