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Japanische Klassiker mit Furigana

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「しんりしけん」じょ

心理試験

小酒井 不木

Lesen Sie 心理試験 (「しんりしけん」じょ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.338 Zeichen · 197 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、その言葉は、事件を批評した言葉ではなくて、むしろ事件に驚嘆した言葉です」

総監は不審そうな顔をした。

「こう申すと、或はおわかりにならぬかも知れません。つまり当夜の事情を再演した結果、犯人の天才に驚いて…………」

「早くその手ぬかりをきかせて下さい。苦しくなったから…………」

「つまり、私はこの位完全な事件でありながら、犯人の知れぬのは大きな手ぬかりだと申したのです…………」

総監はにこりと笑って、さもさも安心したというような顔付をして眼を塞いだ。その時、松島氏はその顔色を見てぎょっとした。即ち、今始めて総監が自分を呼び寄せた真意を見抜いてぎょっとしたのである。松島氏は驚きのため息づまるように感じた。総監が自分の言葉を聞きたがったのは、責任観念のみの然らしめたところでなく、もっと大きな動機があったのだと知って松島氏は恐怖に近い感じを起した。

見ると、総監の唇は暗紫色を帯び、顔に苦悶の表情があらわれたので、松島氏は隣室に退いた人々を呼びに行った。夫人を先頭に主治医と看護婦とがあたふたかけつけ、主治医は取り敢えずカンフル注射を、三回総監の腕に行った。