Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぞうとうなん
心臓盗難
海野 十三
Lesen Sie 心臓盗難 (しんぞうとうなん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.434 Zeichen · 21 Bildschirme
と、袋探偵が声をかけた。
「ああ、会いたかった、猫々先生」叫んで安東は袋探偵に抱きついた。代用心臓の箱が失礼ともいわずに袋探偵の肋骨をいやというほど突いた。「僕ほど不幸なものはない。どうにかして下さいよ、猫々先生」
袋猫々にとって安東のいっていることがよく分らなかった。が、それから暫くたって、彼は安東の泣きついている次第を了解した。恋も得たし、ジャーナリズムにネタを提供して金持にもなったが、元の本物の心臓につけ替えてもらわねば不幸かぎりなしとの訴えだった。
「……なにしろ、これじゃあ風呂にも入れませんし――代用心臓は電気で動いている器械ですからねえ。それに西枝と結婚すれば、たいへん困ることが出来るんです。どうか先生烏啼にそういって、僕の心臓を返して貰って下さい」
「困ったねえ」
と、袋探偵はいつになく困って返事をした。もしこのとき、探偵の本当の感想を安東にぶちまけたとしたらどうだろう。
“君は下手なことをしたよ。君の心臓を奪っていった男をひどい目にあわしてしまったんだからね。失恋の傷手に悶々たる烏啼の奴は、今頃はやるせなさのあまり、君の心臓を串焼きなんかにして喰べてしまったかもしれないよ。