Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうぎ
忠義
Lesen Sie 忠義 (ちゅうぎ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.171 Zeichen · 27 Bildschirme
――今日出仕を終ってから、修理は、白帷子に長上下のままで、西丸の佐渡守を訪れた。見た所、顔色もすぐれないようだから、あるいはまだ快癒がはかばかしくないのかと思ったが、話して見ると、格別、病人らしい容子もない。そこで安心して、暫く世間話をしている中に、偶然、佐渡守が、いつものように前島林右衛門の安否を訊ねた。すると、修理は急に額を暗くして、「林右衛門めは、先頃、手前屋敷を駈落ち致してござる。」と云う。林右衛門が、どう云う人間かと云う事は、佐渡守もよく知っている。何か仔細がなくては、妄に主家を駈落ちなどする男ではない。こう思ったから、佐渡守は、その仔細を尋ねると同時に、本家からの附人にどう云う間違いが起っても、親類中へ相談なり、知らせなりしないのは、穏でない旨を忠告した。ところが、修理は、これを聞くと、眼の色を変えながら、刀の柄へ手をかけて、「佐渡守殿は、別して、林右衛門めを贔屓にせられるようでござるが、手前家来の仕置は、不肖ながら手前一存で取計らい申す。如何に当時出頭の若年寄でも、いらぬ世話はお置きなされい。」と云う口上である。そこでさすがの佐渡守も、あまりの事に呆れ返って、御用繁多を幸に、早速その場を外してしまった。