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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうぎ

忠義

芥川 竜之介

Lesen Sie 忠義 (ちゅうぎ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.171 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

のためを計るべきものであろうか。しかも、林右衛門の「家」を憂えるのは、杞憂と云えば杞憂である。彼はその杞憂のために、自分を押込め隠居にしようとした。あるいはその物々しい忠義呼わりの後に、あわよくば、家を横領しようとする野心でもあるのかも知れない。――そう思うと修理は、どんな酷刑でも、この不臣の行を罰するには、軽すぎるように思われた。

彼は、内室からこの話を聞くと、すぐに、以前彼の乳人を勤めていた、田中宇左衛門という老人を呼んで、こう言った。

「林右衛門めを縛り首にせい。」

宇左衛門は、半白の頭を傾けた。年よりもふけた、彼の顔は、この頃の心労で一層皺を増している。――林右衛門の企ては、彼も快くは思っていない。が、何と云っても相手は本家からの附人である。

「縛り首は穏便でございますまい。武士らしく切腹でも申しつけまするならば、格別でございますが。」

修理はこれを聞くと、嘲笑うような眼で、宇左衛門を見た。そうして、二三度強く頭を振った。

「いや人でなし奴に、切腹を申しつける廉はない。縛り首にせい。縛り首にじゃ。」

が、そう云いながら、どうしたのか、彼は、血の色のない頬へ、はらはらと涙を落した。