Japanische Klassiker mit Furigana
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おもいでのき
思い出の記
小泉 節子
Lesen Sie 思い出の記 (おもいでのき) von 小泉 節子 (こいずみせつこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.841 Zeichen · 62 Bildschirme
『蓬莱』が好きで、絵が欲しいと申しまして、色々見たり、描いて貰ったりしたのですが皆満足しませんでした。
熱い事が好きですから、夏が一番好きでした。方角では西が一番好きで書斎を西向きにせよと申した位です。夕焼けがすると大喜びでした。これを見つけますと、直に私や子供を大急ぎで呼ぶのでございます。いつも急いで参るのですが、それでもよく『一分後れました、夕焼け少し駄目となりました。なんぼ気の毒』などと申しました。子供等と一緒に『夕焼け小焼け、明日、天気になーれ』と歌ったり、または歌わせたり致しました。
焼津などに参りますと海浜で、子供や乙吉などまで一緒になって『開いた開いた何の花開いた、蓮華の花開いた……』の遊戯を致しまして、子供のように無邪気に遊ぶ事もございました。
『廣瀬中佐は死したるか』と申す歌も、子供等と一緒に声を揃えて大元気で、歌いました。室内で歌ったり、子供の歌って居るのを書斎で聞いて喜んだり、子供の知らぬ間にそっと出かけて一緒に歌ったり致しました。先年三越で福井丸の船材で造った物を売り出した時に巻煙草入を買って帰りました。その日に偶然ヘルンの書いて置きました『廣瀬中佐の歌』