Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きゅうこうじゅうさんじかん

急行十三時間

甲賀 三郎

Lesen Sie 急行十三時間 (きゅうこうじゅうさんじかん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.724 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

友人になんと云って詫びれば好いだろう。友人はどんなに落胆するだろう。探偵は巧く取返して呉れるか知らん。とても難かしいだろう。

私の頭は取りとめのない事で渦を巻いていた。夜はいつの間にか明けて、すがすがしい朝の空気が靄に閉ざされた窓外から飛込んで来た。乗客はざわめき出した。

午前五時、名古屋駅に汽車が止ると、乗客は我勝ちに車を飛び出して、洗面所に駈けつけたり、弁当売りを包囲したりした。私は何をする元気もなく、腰掛の隅に小さくなって、頬骨の出た前の男がムクムクと起きて、窓の外に頭を突き出し、通りかかった駅員と何か話をしているのをじっと見ていた。

汽車が濃尾平野を横断して、伊吹山の麓を迂廻しながら、近江平野に這入っても、探偵も老翁も姿を見せない。前の男は平気でグウグウ寝ている。私はズキンズキン痛む頭を抱えてウトウトし出した。極度の緊張から驚駭へ、驚駭から失望へ、失望から弛緩へ、私は恐ろしい夢と、金を取戻した儚い喜びの夢を、夢現の境に夢みながら、琵琶湖の畔をひた走りしていた。

大津、京都、私は朧ろにしか知らなかった。

京都を過ぎる頃から私は少しずつ元気を恢復して来た。